こんにちは、凩です。
非行心理・犯罪心理を研究中です。
さて、岡本茂樹氏の著作。遺作と言えるかもしれません。
高校教員としての経験を持ち、また受刑者への面接・更生教育もされていた方です。
以前紹介した家田荘子さんの『少女犯罪』とは逆に、少年院などの更生施設の在り方には批判的です。
以下に示す通り、きちんと理屈があります。
抑圧の危険性を唱えています。
望ましい家庭に育ったように見える「いい子」が、
大人になって爆発して犯罪を起こしてしまう、とか
または親・教師にばれないような小さな不正を繰り返し、いつしか大きな不正に発展してしまうとか
子ども時代に親に反抗・口答え・または不満を訴えることのなかった人が、
実は心のうちに大きな抑圧を隠していた、という事実は、
そう珍しい話でもなくなりました。
反抗期についても、あれは親からの独立・自立の表現であって、
「反抗」というマイナスな表現をすべきではないかもしれません。
いい子ほど、「反抗」しないために自分の欲求を抑え込もうとしますから。
最近、20代の犯罪報道が多くなされています。
教育の失敗の面も多くあるかと思いますが、
社会の変化や発達に翻弄されて限界がきている人はもっと大勢いることでしょう。
健全かつ開放的なコミュニケーションの機会・場を広げていく必要があると思います。

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